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豚飼雑感2014年6月
ウィルスで、雑然として

 世界はウィルスが蔓延している。ポールマッカートニーさんだって入院だ。生物なんだか何なんだか、詳しいことは知らないけれど、僕も割りと仲がよく、しょっちゅう風邪をひいている。
 豚を飼っていると、本当にあの連中とはうんざりするほど付き合わされる。インフルエンザ、日本脳炎、口蹄疫、PCV、PRRS、AD、PPV、TGE、TPP…そして今問題になっているPED。幸いにもまだ僕の農場には入ってきていないけれど、もうすぐそこまで来ているので恐ろしい。特に子豚がこの病気にかかると、ひどい下痢をおこし、致死率は50%にもなることがある。去年はアメリカで、そして今年は日本で大流行。日本だけでもすでに20万頭近くの豚の死亡が報告されている。これが人間の病気だったらどうなることか…。
 ウィルスと言えばたいてい悪者なんだけど、中には良い奴もいるのだろうか?もう少し大きな細菌の類では良い奴もいる。もっと大きな人間の類でも、良い奴はいる。良い奴らだけと付き合いたいものだけれど、そこかしこに悪い奴らがいるのも事実で、呼んでもないのに寄ってきたりする。類は友を呼ぶというやつだろうか、もしかして。
 いずれにせよ、われわれは目には見えない細菌やウィルスの微妙な変化と、その働きによって、大いに振り回されている。しかし本当に健康な人達は、こういった目に見えない小さい奴らとの付き合い方が上手いと思う。農業でも有機農業や自然農として発展しているが、もともと土から切り離されて発展してきた養豚ではそういった考えはまだまだ乏しいのが現状だ。
 そんな折にゴーバルでバスク地方の養豚についての話を聞く機会があった。試食もさせてもらったけれど、バスク豚が1位で、ボクノ豚が2位といったところだろうか。バスク地方で昔から飼われていた在来種の豚を、その地域で作られた穀物を餌にして、広い山林で木の実を食べながら、ゆっくりと育った豚が旨いに決まっている。豚を飼っているおじさんもいい顔で、消毒と投薬に追われてやつれた顔をしてはいない。そのバスク豚も以前は絶滅しかかっていたものだという。単に旨いだけでなく、バスクに生きる人達の誇りがしみこんでいるのだ。
 串原で養豚にかかわるようになって10年になる。なんかまだスタートラインに立ったばかりという感じもするけれど、そして今の僕の心境に合わせて雑然とした文章になったけれど、はい、風邪ひかないようにがんばります。


豚飼雑感 | 22:57:15 | トラックバック(0) | コメント(0)